ぼくらが旅に出る理由 - 倍賞千恵子
Jun 04, 2020
1994年にリリースされた小沢健二の名盤『LIFE』。7トラック目に収録されていて、後にシングルカットもされた『ぼくらが旅に出る理由』は、四半世紀以上経って聴いても、聴く度に良い曲、良い歌詞だなぁ、と思うのです。
名曲…であることは間違いないのですが、小沢健二の "楽曲アレンジをまんま他所から引用する癖" はたまに目に余るものがあったりもします。
先人へのリスペクトをお持ちの方は是非、ポール・サイモンの『You Can Call Me Al(コール・ミー・アル)』をお聴きください。
- You Can Call Me Al - Paul Simon:1986| Amazon Music | Apple Music |
安藤裕子やフジファブリックをはじめ、多くのアーティストがカバーしているけれど、好きなのはこれ。
ピアノとストリングスを基調としたゆったりアレンジに、ベテラン女優・倍賞千恵子の落ち着いたボーカルがなんとまぁ心地よい。
2015年に公開された3DCGアニメ映画『GAMBA ガンバと仲間たち』の主題歌。有名な児童文学『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』を原作とした、ネズミたちの冒険物語です。素敵なエンディングシーケンスでこの曲がふわ〜っと流れてきて、本編の緊張感をすっと和らげてくれます。
良い。名女優の表現力、恐るべし。
映画自体もなかなかの力作です。興行的にはパッとしなかったようですが。
本作品はややソフト風味に仕上がっていますが、同じ原作を元にした、子供の頃に見たテレビアニメ版『ガンバの大冒険』は、敵役・ノロイの描写が凄まじく恐ろしすぎて、夢でうなされるほどのトラウマものだったのを、ふと思い出します。
例えば『進撃の巨人』の序盤で感じるような "圧倒的な絶望" みたいな雰囲気を作品中に感じるのが好きなのだけれど、そういう絶望感を初めて味わったのが、この『ガンバの大冒険』のノロイ一族だったのかもしれないなぁ。