Take Me Out to the Ball Game 〜 私を野球に連れてって
MLBの野球場で7回のインターバルに歌われる『Take Me Out to the Ball Game』。最近では野球番組や日本のスタジアムでもよく流されるし、落語家・桂米助師匠の出囃子としてもお馴染みですね。
この曲は、1908年にジャック・ノーワース(Jack Norworth)とアルバート・フォン・ティルザー(Albert Von Tilzer)によって生み出されました。
様々なバージョンの『Take Me Out〜』を一度に入手したいなら、このアルバムがお薦めです。
アメリカの高名なドキュメンタリー製作者ケン・バーンズの、野球をテーマにした作品のサウンドトラック。
貴重な試合実況音声や古き良きアメリカを忍ばせる音楽の数々と共に、1908年に録音された『Take Me Out to the Ball Game』や、このドキュメンタリーのために録音されたと思われるカーリー・サイモンやDr.Johnが歌うバージョンなどなどが収められています。
このアルバムに収録の『Take Me Out to the Ball Game』リスト
- #02:ピアノバージョン by J.Schwab
- #05:1908年に録音されたバージョン by H. Hindermyer
- #23:by King Curtis
- #25:トランペットバージョン by G. Rabbai
- #27:by Dr.John
- #29:by Carly Simon
この5トラック目に収録されている Harvey Hindermyer の1908年バージョンというのが、この名曲の最初にリリースされた録音盤である可能性が高い音源です。
「最初の録音盤がどれか」というのは、ソースによって少しずつ情報が異なっているのですが、例えばWikipedia英語版では1908年にEdward Meekerが歌ったレコードが最初とあり、2009年に出版された『Take Me Out to the Ball Game: The Story of the Sensational Baseball Song』という本によると、
- 1908年8月にHindermyer歌唱のレコードが発売。
- 1908年9月にMeeker歌唱のレコードが発売。
- 1908年9月9日にHeydn Quartetが歌うレコードが発売。
…というふうに書かれています。
この当時のレコード事情はよくわからないけれど、同じ楽曲がそれぞれ別のレコード会社から矢継ぎ早に発売される、というのはちょっと不思議な感覚です。
100年以上ものあいだ、世界中で愛され続けるとは、作者冥利に尽きるでしょうな。