Electric Nebraska - Bruce Springsteen
1982年発表の名盤『Nebraska』。同時期に録音された曲のデモバージョン / アウトトラックの他にライブバージョン、リマスターバージョン、そして遂に日の目を見る幻のエレクトリック・バージョンを含む、てんこ盛りのボックスセット『Nebraska '82 : Expanded Edition』。
何と言っても、目玉はDisc-2の『Electric Nebraska』。アルバム『Nebraska』は結局、スプリングスティーンの弾き語りによるデモバージョンが正式リリース版となったのだけれど、当時、発売を目指して E-Street Band と共に録音されていた "エレクトリック・バージョン" が我々の下に届けられたわけです。
本作リリースの、ほんの数ヶ月前まで「エレクトリック・ネブラスカと呼べるような録音は存在しない」とスプリングスティーン本人がインタビューで語っていたくらい、長年にわたり存在に関する情報が錯綜していただけに、これを耳にすることができるなんて! と喜び勇んで聴いたのだけれど。
うん。
聴きどころは『Born in the USA』と『Downbound Train』のエレクトリック・ネブラスカバージョン。
両曲とも、後の大ヒットアルバム『Born in the USA』に収録されていますが、それとは別バージョンで、スプリングスティーンのアコースティック・デモの雰囲気により近いもの。
個人的には、こちらのアレンジのほうが断然好き。
これらの曲の弾き語りバージョンも、このボックスセットの Disc-1 にちゃんと収録されています。
アルバム全体の感想を言えば、スプリングスティーンの共同プロデューサー / マネージャーの Jon Landau がかつてインタビューで語った、以下のような考え:
…に、完全に同意。
エレクトリック・バージョンが駄作なわけではないのです。オリジナル『Nebraska』が良すぎる。





